勉強やクラブに対して、生真面目で向上心が強い性格による不登校
特に「いじめ」や「先生との衝突」というような、はっきりした「事件」が原因ではない不登校が増えています。
そのような場合、子どもさんの性格を見てみると、多くの場合、「生真面目で向上心が強い」のです。それまで、勉強熱心で努力家、クラブや生徒会などでも活発に活動しているケースがしばしばです。
(親御さんからすると、きっかけになる「事件」もなく、それまで、努力家で真面目だった子どもさんが、不登校になるわけですから、「いじめ」等による不登校とは別の意味で、「どうして?」と戸惑われます。)
では、どうして、このような子どもさんが不登校になってしまうのでしょう?
このような子どもさんは、目標設定が高く、「オール・オア・ナッシング」という面を強く持っています。良く言えば、「生真面目で、向上心が強い」、悪く言えば、「プライドが高く、がんこ」な性格です。
「成績がクラスで1番」「英語が完全にわかる」「部長としてのクラブの完璧な運営」「レベルが高いクラブでレギュラーになる」等、「目標設定」が高すぎて、「成績がクラスで10番」「英語がなんとなくわからないところがある」「部長として注意しても、クラブを休む部員がいる」「レギュラーになれない」ということが許せないのです。例えば、「クラスで10番なら、上出来上出来」と思えないのです。
そして、「オール・オア・ナッシング」的な面を持っているため、「1番じゃないなら、やらない」となって、ポキッと折れてしまうのです。そのような意味で、向上心は強いけれど、「コツコツ勉強して、一年後に1番になろう」という地味な努力は苦手です。
人生感等に対して、生真面目で向上心が強い性格による不登校
勉強に対してと同様、「人生」に対しても「生真面目で、向上心が強い」「プライドが高く、がんこ」な性格の子どもさんも、不登校になりやすいと言えます。
例えば、「学校って何だろう。勉強って何だろう。なぜ、こんなことをするのだろう」ということは、思春期には誰しもがある程度は考えるわけですが、不登校になりやすい子どもさんは、これを、とことんまで真剣に考えてしまいます。これは、決して悪いことではありません。実際、痛々しいほど、真剣に悩まれるわけです。
そして、「オール・オア・ナッシング」的な面が強いため、「学校ってなぜ行かなくちゃならないんだろう。でも、まぁ、行きながら考えよう」というような柔軟性がなく、あるいは、先ほど書いたように、悩みすぎて疲れ果てて、「行かない」ということになってしまうわけです。
人間関係に敏感な性格による不登校
不登校になる子どもさんは、人間関係においても、「生真面目」なことが多いものです。
ですので、普段は、「明るい子」「責任感のある子」「みんなの人間関係を調整する子」「よく冗談を言い、みんなを笑わせる子」といった役割を必死で果たしています。
子どもさん自身が、「自分が無理をしている」ことを自覚している場合もあれば、「自分が無理をしている」ことを自覚していない場合もあります。おそらく、自覚していない場合の方が多いでしょう。
それに、やはり「オール・オア・ナッシング」的な面が強いことが加わって、「明るい子」でいることに少し疲れたとき、「ちょっとくらい無愛想でもいいや」と思えず、どこまでもがんばってしまい、心がポキッと折れてしまうんですね。
また、正義感が強く、いじめられている友だちをかばって、自分が標的になってしまうケースなどもあります。正義感が強いことは、もちろん、素晴らしいことなのですが、「いじめっ子に対して、うまくたしなめる」というようなことができず、真正面から「間違っている」と「対決」してしまうのです。
向上心が強い、プライとが高いことによる悪循環
そして、このような性格ゆえ、どんどん悪循環にはまってしまう、という問題が起きます。
上に書いたように、成績が落ちたため、それが許せず、不登校になったケースを考えてみましょう。
不登校になったわけですから、授業から遅れてしまいます。そうすると、さらに子どもさんは、そのような自分が許せず、どんどん不登校の穴にはまっていってしまいます。「もう一度、学校に行こう」という気になっても、「学校に行っても、授業について行けないなんて、許せない。そんな自分を、みんなに見せられない」と考えてしまい、結局、不登校の穴からなかなか出られないのです。